こんにちは 宮本一三 です。
昨日、静岡の知り合いの方から
「宮本先生の本のことについて静岡新聞に載ってましたよ」
との連絡をいただきました。
早速、確認してみると、嘉悦大学学長の加藤寛先生の論壇というコラムで
私の本の内容を紹介して褒めていただいておりました。
加藤寛先生といえば、第二次臨時行政調査会第四部会長としての国鉄分割民営化や、政府税制調査会会長として日本の経済政策学を先導してきたことで知られる高名な経済学者である。
http://www.kaetsu.ac.jp/message2.html
その加藤寛先生の論壇というコラムは、「定まらない野田内閣の方向」というタイトルで「今こそ強力な財政出動を」「震災復興は全て国費で」という2項目からの内容で、私の著書「震災に克つ経済」からの引用にかなりのスペースを割いていただいている。
内容は、以下の通りである。
「論壇」加藤寛 静岡新聞朝刊3面 2011年10月16日(日曜日)
『定まらない野田内閣の方向』
・今こそ強力な財政出動を
東日本大震災から7ヶ月が過ぎたのに、いまだに野田内閣の方向が定まらないのはいかなることか。
たまたま宮本一三氏の『震災に克つ経済』(幻冬舎)が送られてきたので一読。すばらしい卓見である。宮本氏は元大蔵省審議官でハーバード大学経済学博士であり、1993年衆議院当選、3期11年にわたり、まことに信頼のおける人である。
この方が認める我が国の純債務残高は350兆円である。私は当時250兆円くらいだといっていた。日本の債務残高としてとりあげられるのは①国の公債残高②国と地方の公債等残高③国と地方の長期債務残高④国債及び借入金残高ーの4種類の対策が公表されているが、マスコミでとりあげられるのは④である。2000年9月末には883兆円(実績)に達し、2010年には973兆円。
(宮本注:2000年9月末はミスプリントと思われる、正しくは2009年度末)
これでは日本は最悪の借金国になる。消費税を早く引き上げねばという。しかもこの973兆円の中には国の債務と考える必要のないものまで入っている。
第一に外為借り入れは借金ではない。この借入金147兆円はアメリカの国債に投資されている。たとえば2003年から2005年の3年間に外為特会の借り入れが44兆円増加しているが、これは急激な円高を阻止するために円売りドル買い介入分として同額のドル資金が増えたので債務が増えたのではない。
第二に財投債は見返り貸し出し資金がある。これは政府保有の資産である。これは債務ではない。
第三に年金積立金は国が管理している金融資産である。
第四に日本が破綻するというのは、金利上昇で財政破綻を引き起こすことである。しかし国債600兆円の利払いも増えるが、超低金利時代に10年ものの長期国債を大量に売り込んでいるから、当分は利子負担は急増するわけではない。
今必要なことは思い切った強力な財政出動であり、それによって瀕死に直面している日本経済を活性化することである。何を野田内閣は躊躇しているのか。
・震災復興は全て国費で
たまたまこの時期に嘉悦大学教授高橋洋一氏が『財務省が隠す650兆円の国民資産』(講談社)という本を出版された。本の題名は長いが、中見はそのものズバリである。しかもまさに宮本氏と高橋氏も財務省出身だということに注目して欲しい。
財務省はいつも財政破綻をいうが、そういわなければ消費税増税ができないからだ。年金の足りないのは担当者の不始末など多くは行政の怠慢である。消費税で穴を埋めようなどとはおこがましい。
いま野田内閣は何をためらっているのか。増税などこの時期にいうことではない。松下幸之助に怒られるだけだ。資金はある。震災復興は全て国の予算でやればいい。
最近、仮設住宅で初めて迎える冬に不安を感じている被災者が少なくないと聞く。薄い壁一枚で寒いとの悲惨な状況を聞くにつれ、びっくりする。がれきの処理などとともに、窓の二重ガラス化、外壁の断熱材の追加など仮設住宅の改善は、財源の出所を地方自治体と交渉などとせずに、政府が全額負担で一日も早く実施してほしい。
すでに述べてきたように、財源がないわけではない。したがって、財源を制約理由にしてはならない。(嘉悦大学学長)
以上全文。
まさにこのコラムでは私 宮本がいま言いたいことを述べていただいている。
特に前半部分はまさに私の著書の内容そのものである。
ここまで読んでいただいた皆様には是非拙著「震災に克つ経済」をすべて読破していただくようお願いする。なぜ今「積極財政」が必要かをより深く理解していただけると確信しています。
テーマ : 政治・経済・時事問題
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