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日本の戦後復興に貢献したものとは

こんにちは 宮本一三 です。

先日、静岡新聞の加藤寛先生のコラムで私の著書「震災に克つ経済」を
取り上げていただいてから、このブログへのアクセスも増えてきているようです。
もっと更新回数を増やすとともに内容も更に充実していきます。

さて、前々回の「理想的な税制とは」というタイトルの中で
『戦後の高度成長に経済面で大きく貢献したものとして、「シャウプ勧告」と「財政投融資計画」の役割を高く評価する。「財政投融資計画」については後日の話題とする。』
としておりましたが、今日はこの「財政投融資計画」についての話題です。

財政投融資計画とは、分かり易く言えば郵便局で集められた国民の貯金を原資として、国の計画の下で戦後の復興のため必要とされる分野に、重点的に資金を配布してきた見事な国家的な資金配分機構です。

全国津々浦々の郵便局で郵貯奨励キャンペーンで集められた少額の貯金も、一斉に集められると大金となります。もちろん郵貯だけではなく年金基金等も含めてではありますが、この貴重な資金を1950年代には鉄道、道路などのインフラ整備、電力、鉄鋼など基幹産業の復興と食糧増産に、1960年代には外資を稼ぐために輸出産業の育成に、そして60年代後半から70年代には地方から都市部へ移動してきた労働者の住宅建設へと重点を移して配分してきました。

民間資金も、もちろんこれらの復興事業に大きな貢献を果たしてはきましたが、やはり民間資金は利潤追求が第一であるので、政府主導で資金の流れをナショナルターゲットに沿う方向に誘導する必要があったのです。

この財投計画の根底に流れる思想は、何としても貧富の差の少ない住みよい平等な社会を実現したい、という理念に基づいていることが分かる。先日ふれたシャウプ勧告と共通するものがあると思うのです。

現在の東日本大震災の復興に際しても、復興に対する確固たる理念をもって、政府の資金を活用していかねばならないことは、この戦後の復興期と重なるものが多いように思う。
政府は戦後復興期と同じくらいの気概をもってことにあたって欲しい。
資金を手当てしなければならないことに躊躇すべきではないのである。
それは「増税」ではなく、「公債発行」で迅速にやるべきなのである。



このタイトルの詳細は、拙著「震災に克つ経済」の第1章Ⅱ「財政投融資計画は復興の源」をお読みください。


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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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miyamoto13

Author:miyamoto13
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宮本一三(みやもといちぞう)

兵庫県南あわじ市に生まれ、洲本中学、洲本高校、一橋大学経済学部を卒業、
大蔵省入省。
米国ハーバード大学大学院で経済学博士号を得る。博士論文の一部が米国シカゴ大学 出版の「Economic Development and Cultural Change」に掲載さる。

昭和41年、米国ワシントンのIMF(国際通貨基金)に出向、インドネシア政府経済顧問として特命派遣され、インフレを鎮静化、財政を立て直す。


昭和47年、日中国交回復に参画、日中航空協定締結のため北京に1ヶ月滞在。

昭和49年、国税庁直税部法人税課長。昭和54年、大蔵省国際金融局総務課長。

昭和55年、大蔵省大臣官房審議官。昭和56年、名古屋国税局長。

平成5年、衆議員議員当選(以後3期10年勤める)。

現在、東北福祉大学特任教授、日本国際通商支援協同組合理事長、日本文字文化機構副理事長

趣味は読書、囲碁、ゴルフ。

震災に克つ経済
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