日本の借金はいくらなのか!
こんにちは 宮本一三です。
前回は、財政再建に関して財務省(旧大蔵省)の考え方をお伝えしました。
私自身が大蔵省の各部局と調整をして1980年に日経新聞紙上に発表したものが現在もベースになっております。
財政再建が必要であるということは、私自身30年も前から訴えてきているわけですが、しかしその私から見ても、最近の政府や財務省のやり方には賛同できない部分があるのです。
財務省は、ことあるごとに「財政危機」を吹聴していますが、これは前回のタイトルで述べた「財政の伸縮には対称性がない」ことを必要以上に恐れているからに思えます。
財務省の殆どの官僚が、本当に日本の財政が今にも破綻しかねないほどの危機的な状況だと信じているのでしょうか。
私が知る限り世界の殆どの専門家は、日本の財政状態を危機的であると見ていません。だからこそ日本円だけが、「まだまだ安心」と思われ、「円高」になっているのです。
財務省は、国の債務残高を示す指標として、
(1)国の公債残高
(2)国と地方の公債等残高
(3)国と地方の長期債務残高
(4)国債及び借入金残高
の4種類の数字を公表しています。
マスコミ等で取り上げられるのは(4)です。
2010年度末で924兆円、2011年9月末現在で954兆円に達しています。
以下のグラフをご覧下さい。

このグラフを見ると日本の債務はここ15年程で3倍近く膨れあがり「本当に大変だ、いよいよ日本もギリシャのようになるのか」という気がしてきます。
しかし、この中には国の債務として考える必要のないモノも含まれているのです。
まず以下の2つは国の債務ではないと私は考えています。
(1)外為借り入れ
(2)財投債
(1)外為特会が発行する政府短期証券(110兆円:2010年度末)は、そのまま米ドルに変換され、ほとんど米国債に投資されています。したがって円建て借金は増えても同額のドル資産を持っていることになり、債務が増えたと言うべきではありません。
(2)財投特会が行う借入金等(55兆円:2010年度末)と財投債発行による借り入れ(118兆円:2010年度末)は、いったん債務に計上されますが、この資産は政府系金融機関や地方公共団体等への融資に使用されるので、政府保有の資産として留保されています。国の債務としてカウントするべきでありません。
さらに、私は、国の資産として「年金積立金残高」をカウントすべきと考えています。
この200兆円近い(2008年度末で178兆円(簿価))巨額の資産は政府の管理下にあり、国債や収益性のある流動資産に運用されています。いつでも利用できる国の流動資産、金融資産なのです。
以上をまとめると要するに、現在の国の債務は、政府発表の924兆円ではなく、450兆円超程度であると見込まれます。対GDP比で見ると100%程度となります。
実際には、日本の債務はこの位であると考えるべきだということになります。
前回は、財政再建に関して財務省(旧大蔵省)の考え方をお伝えしました。
私自身が大蔵省の各部局と調整をして1980年に日経新聞紙上に発表したものが現在もベースになっております。
財政再建が必要であるということは、私自身30年も前から訴えてきているわけですが、しかしその私から見ても、最近の政府や財務省のやり方には賛同できない部分があるのです。
財務省は、ことあるごとに「財政危機」を吹聴していますが、これは前回のタイトルで述べた「財政の伸縮には対称性がない」ことを必要以上に恐れているからに思えます。
財務省の殆どの官僚が、本当に日本の財政が今にも破綻しかねないほどの危機的な状況だと信じているのでしょうか。
私が知る限り世界の殆どの専門家は、日本の財政状態を危機的であると見ていません。だからこそ日本円だけが、「まだまだ安心」と思われ、「円高」になっているのです。
財務省は、国の債務残高を示す指標として、
(1)国の公債残高
(2)国と地方の公債等残高
(3)国と地方の長期債務残高
(4)国債及び借入金残高
の4種類の数字を公表しています。
マスコミ等で取り上げられるのは(4)です。
2010年度末で924兆円、2011年9月末現在で954兆円に達しています。
以下のグラフをご覧下さい。

このグラフを見ると日本の債務はここ15年程で3倍近く膨れあがり「本当に大変だ、いよいよ日本もギリシャのようになるのか」という気がしてきます。
しかし、この中には国の債務として考える必要のないモノも含まれているのです。
まず以下の2つは国の債務ではないと私は考えています。
(1)外為借り入れ
(2)財投債
(1)外為特会が発行する政府短期証券(110兆円:2010年度末)は、そのまま米ドルに変換され、ほとんど米国債に投資されています。したがって円建て借金は増えても同額のドル資産を持っていることになり、債務が増えたと言うべきではありません。
(2)財投特会が行う借入金等(55兆円:2010年度末)と財投債発行による借り入れ(118兆円:2010年度末)は、いったん債務に計上されますが、この資産は政府系金融機関や地方公共団体等への融資に使用されるので、政府保有の資産として留保されています。国の債務としてカウントするべきでありません。
さらに、私は、国の資産として「年金積立金残高」をカウントすべきと考えています。
この200兆円近い(2008年度末で178兆円(簿価))巨額の資産は政府の管理下にあり、国債や収益性のある流動資産に運用されています。いつでも利用できる国の流動資産、金融資産なのです。
以上をまとめると要するに、現在の国の債務は、政府発表の924兆円ではなく、450兆円超程度であると見込まれます。対GDP比で見ると100%程度となります。
実際には、日本の債務はこの位であると考えるべきだということになります。
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