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国外から日本経済はどうみられているのか

こんにちは 宮本一三です

今回のブログでは、はたして日本経済は、他国の専門家からどう見られているかを検証してみましょう。

プリンストン大学のポール・グルーグマン教授(2008年ノーベル経済学賞受賞)は、「日本の経験をみて分かるのは、財政政策は効き目があるということでした。しかし、経済が堅実な回復の状態にとうてい戻っていない状態で、なぜ日本の政策決定者らは拡大しようとしなかったのか。疑問に思わざるを得ない」と述べている。
金融政策も「せっかくのゼロ金利政策や量的緩和策も、解除のタイミングが時期尚早だったことを残念に思う。しかもこうした政策の間違いをなぜ繰り返すのか不思議に思う」と述べている(同教授著『危機突破の経済学』)。

有名なポール・サミュエルン教授も1929年の大恐慌の克服は、大戦のおかけではなく、1933年のルーズベルト大統領のニューディール政策(公共事業と農業支援策)の効果で失業率が大幅に改善したことを強調し、日本の場合も財政出動の必要性を主張している(朝日新聞2008年10月25日付)

また一方で、2011年、米国の格付け会社スタンダード&プアーズは、日本国債の格付けを「AA」から「AA-」に一段階引き下げた。またムーディーズ(Aa2からAa3へ)、R&I(AAAからAA+へ)もそれぞれ下げました。しかし、日本国債が売られるような動きはどこにも現れていません。
これに関しては、今年の1月12日の日経新聞のコラム記事「なぜ格下げでも日米国債は買われるのか ムーディーズ元幹部語る」のなかでムーディーズ元幹部の森田隆大氏は、
「なぜ一部の専門家・評論家が日本の財政状況は心配ないと言っているのか? 多くの場合、日本経済に潜在力がまだあり、税収はやがて力強く回復するため、負債返済能力に問題はないということを主な論拠にしているわけではない。国が徴税権や通貨発行権を行使して、返済資金を継続的に手当てできる政治的意思と能力があるから大丈夫と強く主張しているわけでもない。むしろ、日本国債は95%が国内で保有され、政府の財政状態が悪くても日本の投資家の国債選好志向は変わらないため、資金調達に問題がないという考え方が根底を成す。つまり、国の基礎信用力(ファンダメンタルズ)が悪化しても、資金の出し手がいるから、デフォルトしないという理屈である。」と語っている。

2、3の例を出したが、私は海外の多くの経済専門家は、「日本経済は破綻する心配はないのに、せっかくの財政政策をなぜ拡大しないのか。潜在的な成長力はあるのに不思議だ」と見ていると思っている。

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テーマ : 政治・経済・時事問題
ジャンル : 政治・経済

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miyamoto13

Author:miyamoto13
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宮本一三(みやもといちぞう)

兵庫県南あわじ市に生まれ、洲本中学、洲本高校、一橋大学経済学部を卒業、
大蔵省入省。
米国ハーバード大学大学院で経済学博士号を得る。博士論文の一部が米国シカゴ大学 出版の「Economic Development and Cultural Change」に掲載さる。

昭和41年、米国ワシントンのIMF(国際通貨基金)に出向、インドネシア政府経済顧問として特命派遣され、インフレを鎮静化、財政を立て直す。


昭和47年、日中国交回復に参画、日中航空協定締結のため北京に1ヶ月滞在。

昭和49年、国税庁直税部法人税課長。昭和54年、大蔵省国際金融局総務課長。

昭和55年、大蔵省大臣官房審議官。昭和56年、名古屋国税局長。

平成5年、衆議員議員当選(以後3期10年勤める)。

現在、東北福祉大学特任教授、日本国際通商支援協同組合理事長、日本文字文化機構副理事長

趣味は読書、囲碁、ゴルフ。

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